【日本酒・米ぬか・酒粕】お米由来の化粧水で美肌に！おすすめ８選

最近ドラッグストアーの化粧品コーナーで、日本酒由来の成分が含まれる化粧品をよく見かけるようになりました。

「日本酒をつくる杜氏の手は白くて美しい」

「ぬか漬けをまぜた手はすべすべしている」

こんな言葉を、みなさんも耳にしたことがあるかもしれません。

古くから日本人になじみの深い「お米」。

このお米には、食料としての栄養素だけでなく、美肌成分が含まれていると報告されています。

この記事では、「お米由来の美肌成分」を徹底調査し、おすすめの化粧水をご紹介します。

お米由来の化粧水の特徴

はじめに、お米由来の化粧水の基本的な情報を確認しましょう。

なぜ、お米由来の化粧品が研究開発されるようになったのか、美肌成分にはどのような効果があるのか解説していきます。

共通点は、「米」から化粧品原料がつくられていること

お米が升に入れられている様子

お米由来の化粧水の共通点は、いうまでもなく「米」を起源としていることです。

米を精米、発酵、醸造していく過程で、さまざまな化粧品原料が生成され、化粧品に加工されます。

お米由来の化粧品原料は、コメ発酵液、コメヌカ（発酵）エキス、酒粕

お米由来の化粧品原料は、おもに3種類に分けられます。

それぞれに「米」と「発酵」の力による、豊富な美肌成分が含まれています。

コメ発酵液	米を微生物の力で発酵させ抽出した液体
コメヌカ（発酵）エキス	米ぬかから抽出した液体。発酵エキスは、米ぬか由来の糖化液を発酵して抽出したもの
酒粕、酒粕エキス	日本酒製造の過程で、醪（もろみ）を圧縮したあとにできる固形物とそのエキス

コメ発酵液

米発酵液のイメージ図

コメ発酵液とは、米を麹や酵母、乳酸菌などの力を借りて発酵させて抽出した液体のこと。

天然保湿因子と同様のアミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいるため、保湿効果が期待できます。

コメヌカエキス

米と米糠の画像

玄米の表面を精米してけずり、出てきた粉（ぬか層や胚芽）を米ぬかとよびます。

米の栄養素の95%は米ぬか中に含まれており、抗酸化力のあるビタミンEや、コレステロールの吸収をさまたげるγ－オリザノールなど豊富な栄養素を含みます。

米ぬかから水溶性の液体を抽出したものが、コメヌカエキスです。コメヌカエキスには、保湿効果や抗酸化作用があると報告されています。

酒粕、酒粕エキス

酒粕の画像

酒粕とは、日本酒を製造する過程で、醪（もろみ）を圧縮したあとにできる固形物のこと。

酒粕には美白作用が期待できるアルブチンや、肌のバリア機能をもつグルコシルセラミドなど、さまざまな美肌成分が含まれています。

お米由来の化粧品原料や美肌成分を研究開発している企業

研究開発をしている画像

ここまでご紹介したように、お米由来の美肌成分は、「米ぬか」や「日本酒」といった日本の食文化から発見されてきました。

お米由来の化粧品は、食品を扱う企業が化粧品開発をしているケースも。ここからは、お米由来の化粧品原料や美肌成分の開発秘話をご紹介します。

アルコールフリーのコメ発酵液づくりに成功「福光屋」

金沢で最も長い歴史をもつ酒蔵「福光屋」が開発したのは、アルコール分0％のコメ発酵液です。

福光屋は、使用する米や酵母の種類により、抽出される成分量が異なることを発見。

米の選定から磨き方までこだわりぬき、300以上の試行錯誤を重ね、独自のコメ発酵液「FRS」を開発しました。

自社商品であるアミノリセに配合した「FRS-01」は、天然保湿因子を含む20種類以上のアミノ酸と抗酸化力を有し、独自製法によりアルコール分0％も実現しています。

お米由来の美肌成分と期待できる効果

リラックスして自分の肌を触っている女性

お米由来の美肌成分には、どのような種類があり、どういった効果が期待できるかをくわしく見ていきましょう。

成分	効果	含有される原料
ライスパワー	水分保持能（No.11）皮脂分泌抑制（No.6）等	勇心酒造の独自開発
アミノ酸	保湿効果等	コメ発酵液、酒粕
コウジ酸	美白効果等	コメ発酵液、酒粕
遊離リノール酸	美白効果等	酒粕
アルブチン	美白効果等	酒粕
フェルラ酸	美白効果等	酒粕、コメヌカエキス
ビタミンE	血行促進等	コメヌカエキス
γ-オリザノール	美白効果等	コメヌカエキス
グルコシルセラミド	肌のバリア機能修復	コメヌカエキス

ライスパワー（独自成分）

勇心酒造独自の「日本型バイオ技術」により、100%お米のエッセンスを約90日間発酵、熟成させてつくられる成分。

現在、開発されているライスパワーは36種類あり、そのなかから13種類が実用化されている。とくにライスパワー No.11と、ライスパワー No.6は医薬部外品の新規有効成分として承認されています。

ライスパワーは、他化粧品メーカーの商品にも多数美容成分として採用されています。

ライスパワー No.11	皮膚水分保持能の改善・頭皮水分保持能の改善
ライスパワー No.6	皮脂分泌の抑制

パワーNo.11がもつ「水分保持能」と「保湿の違い」

一般的な化粧品による「保湿」は、保湿効果のある成分を補うことで、肌の乾燥などを防ぎます。

一方でライスパワーは、肌の細胞が生まれる基底層にはたらきかけて、保湿因子であるセラミドの生成力を高めます。

つまり、ライスパワーは、私たちの肌が本来もっている保湿の力を底上げする効果があるのです。

また、新しく開発されたライスパワー No.11＋は、シワ改善効果も追加されています。従来の水分保持能にくわえ、シワと関係が深い基底膜のコラーゲン増加にはたらきかけます。

アミノ酸（コメ発酵液、酒粕）

私たちの肌は本来、角質層に天然保湿因子（NMF）とよばれる、うるおいを保つための成分をもっています。

NMFは、水の分子と結合しやすく、一度結び付くと蒸発しにくい水分に変化し肌のうるおいを保ちます。

【天然保湿因子の組成】

遊離アミノ酸　　　　　　　　　　40%

ミネラル類　　　　　　　　　　　19%

乳酸塩　　　　　　　　　　　　　12%

ピロリドンカルボン酸（PCA）　12%

尿素　　　　　　　　　　　　　　　7%

その他　　　　　　　　　　　　　10％

このNMFは成分の半分以上が、アミノ酸とアミノ酸からつくられる成分（PCA）で構成されています。

コメ発酵液と酒粕（エキス）には、多種のアミノ酸を含むため保湿効果が期待できます。

コウジ酸（コメ発酵液、酒粕）

杜氏の手が白いことに着目し、麹に含まれるコウジ酸の美白効果が医薬部外品として承認を受けたのが1988年。

美白成分のブームは、このコウジ酸が火付け役といっても過言ではありません。

メラニンは、チロシンというアミノ酸に、チロシナーゼという酵素がはたらきかけることによって黒色色素に変化します。

このチロシナーゼは、銅イオンをもつことによって活性化しますが、コウジ酸はこの銅イオンを奪うことでメラニンの生成を抑制します。

遊離リノール酸（酒粕）

リノール酸は、人間が体内でつくれない不飽和脂肪酸の1つです。

大豆はこのリノール酸を多く含みますが、発酵の過程でグリセリンから切り離されて、「遊離リノール酸」に変化します。

この遊離リノール酸は、メラニン合成に必要なチロシナーゼの活性を阻害し、メラニン合成をおさえる働きがあると報告されています。

アルブチン（酒粕）

アルブチンは植物に含まれており、ハイドロキノンにブドウ糖が結合した天然の美白成分です。

メラニン合成にかかわる酵素チロシナーゼに作用し、メラニン合成を阻害するため、美白効果があるとされています。

フェルラ酸（酒粕）

フェルラ酸はポリフェノールの一種で、メラニンの元となるチロシンに似た構造を持つ物質です。

ファルラ酸は、チロシンと互いの作用を打ち消し合うことで、メラニン生成を抑制します。抗酸化作用や紫外線吸収作用があるため、日焼け止めなどに配合されています。

γオリザノール（コメヌカエキス）

γオリザノールは、1953年に日本人の研究者によって、米ぬかから発見されたポリフェノールの一種で、フェルラ酸を含む混合物です。

肌への効果は、(1) 抗酸化作用 (2) 紫外線吸収作用　(3)血行促進効果の3つが報告されています。γオリザノールの紫外線吸収作用は、フェルラ酸よりも強いことが報告されています。

グルコシルセラミド（コメヌカエキス）

セラミドは、角層の細胞同士のすきまを埋める成分で、肌のバリア機能をになっています。

加齢などでセラミドが減ると、肌の乾燥やトラブルにつながることも。グルコシルセラミドは、セラミドの前段階の物質で、主に米や麦などにも含まれます。美容成分としてのグルコシルセラミドは、肌のバリア機能修復作用があるとされています。

お米由来化粧水の選び方と注意点

化粧品を選ぶ手の画像

お米由来化粧水の特徴や効果について解説してきました。ここからは、化粧水を選ぶときの失敗しない選び方と、注意点をご紹介します。

自分の肌に合った成分を選ぶ

自分の顔にふれる女性

ここまでご紹介してきたように、お米由来の化粧水には化粧品原料ごとに、それぞれに含まれる成分と期待できる効果が異なります。

種類	期待できる効果	肌悩み
日本酒化粧水	保湿	乾燥、小じわ
米ぬか化粧水	美白、バリア機能修復	くすみ、乾燥
酒粕化粧水	美白	くすみ